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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第14章 墨染めの恋
「──御令孫?」
「ああ……すまない。それで──」
そして伍名の声に現に戻され、ふと顔を上げた日嗣は……目の前に在った神の静かな変貌に気付き、言葉を失った。
「……」
この僅かの間に何の心境の変化があったのか、顔つきこそ変わらないのに、伍名の纏う空気は鋭利なものになり──嵐の前の夜のような、不可解な存在感を醸し出している。
それは日嗣より遥かに先に生まれ出た神の、年を重ねてきたからこそ纏うことができる独特な気配。ただみだりに威を振りかざす自分とは違う、老熟した者だけが持つ物言わぬ存在感だった。
そして、
「──それはもしや」
「……」
「神依という少女の夢ではございませんか」
口を閉ざしてから数秒、その淡々と語られた言葉に、日嗣は目を見開いた。
***
「伍名──お前」
「もしもそうだとしたら、私が今、この時に……こうして参った事情を、多少なりとも酌んでいただけたでしょうか」
「……」
「昨晩私は、その神依という少女の元に天降りました。そして今は、その帰りです。……意味は、お分かりになりますね?」
「伍名……ッ」
「……、」
その瞬間、伍名の眼前の空気が震える。
「ああ……すまない。それで──」
そして伍名の声に現に戻され、ふと顔を上げた日嗣は……目の前に在った神の静かな変貌に気付き、言葉を失った。
「……」
この僅かの間に何の心境の変化があったのか、顔つきこそ変わらないのに、伍名の纏う空気は鋭利なものになり──嵐の前の夜のような、不可解な存在感を醸し出している。
それは日嗣より遥かに先に生まれ出た神の、年を重ねてきたからこそ纏うことができる独特な気配。ただみだりに威を振りかざす自分とは違う、老熟した者だけが持つ物言わぬ存在感だった。
そして、
「──それはもしや」
「……」
「神依という少女の夢ではございませんか」
口を閉ざしてから数秒、その淡々と語られた言葉に、日嗣は目を見開いた。
***
「伍名──お前」
「もしもそうだとしたら、私が今、この時に……こうして参った事情を、多少なりとも酌んでいただけたでしょうか」
「……」
「昨晩私は、その神依という少女の元に天降りました。そして今は、その帰りです。……意味は、お分かりになりますね?」
「伍名……ッ」
「……、」
その瞬間、伍名の眼前の空気が震える。

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