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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第13章 月の剣
 そのあらゆる姿に、この男は何も、微塵も感じてはいなかったのだ。
(……私……、……何のために……)
そう思えば、とてつもない虚無感が神依の心を襲った。この神が満たされたら、全て終わるのだと思った。しかしこの神が真に満たされることなど決して無いのだろう。その満たされない心で、永遠にも近い時を罵られ、嘲られ、見下され、ただ生理的な反応で隆起し精を吐き出すだけのソレに伏して尽くす自分は、一体何なのだろう。全てを奪われて獣に貶められて、こんなもののためだけに在る自分は一体何なのだろう。
 ああ、と嘆くように息を吐き震える神依に、月読はその虚ろな笑みを深めて手を伸ばした。
「どうした……早くここに口付けをして、私の使い捨ての玩具になれ。足の裏まで舐め上げたお前には、簡単なことであろう……?」
「あ……っ、」
ぐっと頭が引き寄せられ、神依はまろぶように男の胸へと滑り込む。
 そのまま、土下座を強要されるように無理矢理頭を上から圧され、頬にその肉の塊が押し付けられた。
「い……いや……」
ぽろっと、一粒涙がこぼれる。
 神依にはようやく、この神に頭を下げる度に無くしていくものが分かった気がした。
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