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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第13章 月の剣
月読は相変わらず禊には目もくれず、自ら酒を注ぐと盃を持ち上げる。溢れんばかりに並々と注ぎ、その浮いた表面を舐める程度含めば極上の酒だと分かった。
 そして再び神依の髪を掴み無理矢理顔を上げさせると、
「禊ぎだ……飲み込め」
「──ぁくっ!? あ、ケホッ、げほっ! かはっ……!!」
その酒を浴びせるように神依の口に注ぎ込んだ。
 強い酒の焼けるような喉の刺激に、元々それ自体飲み慣れていない神依は嘔吐にも近いむせ方をして、また生理的に滲んできた涙を何度も拭う。
 月読はその間緩やかに衣を着崩し、再び脇息に寄り掛かった。
「お前に更なる不浄の部分を舐めさせてやる……それで私を満たすことが出来たなら、これは返してやろう」
「あっ……はあっ……、な……何……何をすれば……?」
神依は何を言われているのか分からず、濡れて頬に張り付いた髪を除け月読を見上げる。ぞんざいな扱いのせいか寝不足のせいか酒のせいか、目眩で視界が揺れたが「櫛を返してもらえる」という意識だけが神依の心を支えた。
 問えば月読は、小馬鹿にしたような眼差しで応えた。
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