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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第13章 月の剣
童自身も怪我を負い、体を動かすのが辛かった。釜の準備をしていたところを後ろから鞘で当てられ、一度は気を失ったが再び痛みで目を覚ました。抵抗する度に鞘で突かれ、今は声を出しても息をしても体中が痛む。
それでも童は、神依に許してもらいたくて手を伸ばした。神に脅され、あの櫛を持ち出してしまったのは童だった。
お前の主の一番の宝を差し出せと言われ、それと秤にかけられたのがその主自身の貞操だった。
差し出さなければ、鞘でも棒きれでも突き刺して女陰を抉ると言われた。それさえまだ手加減されていたようで、もしも偽物を渡して主の反応が悪ければ……と、棒きれがましに思えるほどのおぞましき提案までなされて、童は降った。
兄があんなにも苦しみ、唸り、それでも護り通した主の操をこの神に喰い散らかされるのは耐えられなかった。それだけで恋慕う神に拒まれ、また心を沈めて食を細らせてしまうような儚い主の姿を見るのは嫌だった。自分を認めてくれた真の神の、そんな酷薄な姿を目の当たりにするのは嫌だった。
「……姉ちゃん……、俺……ごめ……」
「……!」
神依は目が合った途端に涙をこぼす童を見て理解する。それでも、責めることなどできなかった。
それでも童は、神依に許してもらいたくて手を伸ばした。神に脅され、あの櫛を持ち出してしまったのは童だった。
お前の主の一番の宝を差し出せと言われ、それと秤にかけられたのがその主自身の貞操だった。
差し出さなければ、鞘でも棒きれでも突き刺して女陰を抉ると言われた。それさえまだ手加減されていたようで、もしも偽物を渡して主の反応が悪ければ……と、棒きれがましに思えるほどのおぞましき提案までなされて、童は降った。
兄があんなにも苦しみ、唸り、それでも護り通した主の操をこの神に喰い散らかされるのは耐えられなかった。それだけで恋慕う神に拒まれ、また心を沈めて食を細らせてしまうような儚い主の姿を見るのは嫌だった。自分を認めてくれた真の神の、そんな酷薄な姿を目の当たりにするのは嫌だった。
「……姉ちゃん……、俺……ごめ……」
「……!」
神依は目が合った途端に涙をこぼす童を見て理解する。それでも、責めることなどできなかった。

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