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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第13章 月の剣
 月読はそこそこ芯の強い、折れそうで折れない娘で遊ぶのが一番好きだった。男勝りは喧しく、なよやかな娘では興に欠ける。その点この巫女は多少の風雨では散らない野辺に咲く花のようで──それを上からぐしゃぐしゃと踏みつけて蹂躙する細やかな征服感が、月読自身の身芯を痺れさせてくれた。
 ただその乱れて畳に広がる髪だけは多少褒めそやしてやってもいい程に艶やかで、この腐った廓のような空間には似合いだった。
 「……っ!?」
「そのまま伏せておれ……」
嗚咽と共に踞る娘に手を伸ばせば、娘は弾かれたようにビクリと一度大きく体を震わせ息を呑む。
 何をされるのか怖くて、もう神依には自分の意思でその震えを止めることはできなかった。
 乱れる髪をかき集めようと肌を這いずる男の指先は長い虫のようで、皮膚に触れるか触れないかの微細な刺激を神依に与える。
「……っあ……、んぅ……っ」
最後にうなじの方をなぞられ、媚薬の焚かれた空気を今も吸い続けている神依にはそれが全て性感となって体を駆け巡った。
 喉をつく甘ったるい声と、我慢してもしきれず男を誘うように蠢く腰。それはまさしく飼い主に媚びを売る犬のようで、神依は畳と袖に顔を隠しその羞恥を堪えた。
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