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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第13章 月の剣
こくりと唾を呑み込みそれをやり過ごそうとするが、その理性に相反する熟すような肉の欲は、また昨晩のように神依の感覚と意識を蝕んでいく。鼓動が早くなって、目の前の床にぽつりと汗が流れ落ちた。
「み……神依様──」
「……獣共々下がりおれ、下郎」
「……」
もはや視線すら向けられず、禊はその言葉一つで部屋の隅に逐われる。最後の抵抗に少し襖を開けたまま、この毒の空気の逃げ道を作って。部屋の隅には何かで殴打されたのか、体の数箇所に痣を作り横たわる童と、それを心配そうに窺う子龍、そして……それぞれに傷を負った、小さな神々の姿があった。
「……、」
「……」
禊は鼠英と蜘蛛の女神にせめてもの礼を取り、傍らに座す。鼠軼は気絶しているのかぐったりとしたまま鼠英に支えられ、その尾に巻いていた神威の宿る珠には斜一文字にヒビが入っていた。
蜘蛛の女神などは更に無惨に、千切れた脚の一本を針で畳に縫い留められたまま、脅えるように部屋の角で身を竦めている。皆が皆互いを人質にされ、暴力に支配され脅されていたのだろうことがすぐさま分かった。
「ひ、のえ……、」
「……」
か細く痛々しい声に、禊は喋るなと目で伝える。
「み……神依様──」
「……獣共々下がりおれ、下郎」
「……」
もはや視線すら向けられず、禊はその言葉一つで部屋の隅に逐われる。最後の抵抗に少し襖を開けたまま、この毒の空気の逃げ道を作って。部屋の隅には何かで殴打されたのか、体の数箇所に痣を作り横たわる童と、それを心配そうに窺う子龍、そして……それぞれに傷を負った、小さな神々の姿があった。
「……、」
「……」
禊は鼠英と蜘蛛の女神にせめてもの礼を取り、傍らに座す。鼠軼は気絶しているのかぐったりとしたまま鼠英に支えられ、その尾に巻いていた神威の宿る珠には斜一文字にヒビが入っていた。
蜘蛛の女神などは更に無惨に、千切れた脚の一本を針で畳に縫い留められたまま、脅えるように部屋の角で身を竦めている。皆が皆互いを人質にされ、暴力に支配され脅されていたのだろうことがすぐさま分かった。
「ひ、のえ……、」
「……」
か細く痛々しい声に、禊は喋るなと目で伝える。

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