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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第13章 月の剣
禊が頷けば、神依は親に褒められるのを喜ぶ子供のようににこっと笑う。
 夜、神依はこの従者に告げた。今度は自分が禊や童を護れるくらい強くなると誓った。けれど何かを護るに、必ずしも重い武具を纏う必要があるわけではないのだと禊は教えてくれたのだ。体にも、心にも。
 「……ねえ、禊。それで禊は、さっき日嗣様に何をお伝えしたの?」
「それは、貴女様が存じ上げなくてもいいことですので」
「また意地悪言う……ふわ~あ」
そうしてもう人目を気にする必要がないところまで来ると、神依は大口を開けて盛大にあくびをした。
 禊はそれをはしたないとたしなめるが、心を許してくれている証のようで内心ではとても喜んでいる。たった一夜で禊の見る世界はその色を変えて、野辺の秋草が種を落とし役目を終えて果てていく様にさえも、身を寄せ合う冬、いずれ来る芽吹きの春の温かさを感じることができる。
 「朝餉をお召し上がりになりましたら少しお休み下さい」
「うん……そうする。そしたら禊もちょっと休んで。童も寝かせてあげたいし……あなたが休まないと、童も休めないでしょ」
「……はい。では、今日ばかりは御言葉に甘えさせていただきます」
「うん、よろしい」
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