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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第12章 天津水
あれは私が子として取り上げ、私が女として救い、私が巫女として見出だした。だから私が好きにしていい。
──私のものだと。
(やめろ……)
それをぶつけるには、あの娘は余りにも──小さく、幼かった。体も、心も、魂も。自分と同じようにまだ未熟で、まだ何も知らない。
こんなものに関わって欲しくないとも思い、突き放すような態度も取ってきた。それに怯えた様子も見せていたし、今ここで“あの時”と同じように……権力と男の力とで組み伏せてしまったら、それは一生消えない傷となって少女に残る。
ただでさえ、自らが取り立てたことであの娘は今苦しんでいるのに。途中で投げ出すこともせず、誠実に応えてくれているのに。なのにこちらがそんな乱暴を働けば──いくら他の男神を遠ざけようとも、あの娘が二度と自分の目の前に現れることはない。二度とあの無防備な……ありのままの姿を晒してはくれない。
(……)
そう思えば、ふつふつと沸き上がっていたものがすうっと鎮まっていくのが分かった。
その急激に冷えていく熱に、日嗣は衣を握りしめていた手を緩め身なりを正す。
やはりあの少女が消えてしまうのは──嫌なようだった。
──私のものだと。
(やめろ……)
それをぶつけるには、あの娘は余りにも──小さく、幼かった。体も、心も、魂も。自分と同じようにまだ未熟で、まだ何も知らない。
こんなものに関わって欲しくないとも思い、突き放すような態度も取ってきた。それに怯えた様子も見せていたし、今ここで“あの時”と同じように……権力と男の力とで組み伏せてしまったら、それは一生消えない傷となって少女に残る。
ただでさえ、自らが取り立てたことであの娘は今苦しんでいるのに。途中で投げ出すこともせず、誠実に応えてくれているのに。なのにこちらがそんな乱暴を働けば──いくら他の男神を遠ざけようとも、あの娘が二度と自分の目の前に現れることはない。二度とあの無防備な……ありのままの姿を晒してはくれない。
(……)
そう思えば、ふつふつと沸き上がっていたものがすうっと鎮まっていくのが分かった。
その急激に冷えていく熱に、日嗣は衣を握りしめていた手を緩め身なりを正す。
やはりあの少女が消えてしまうのは──嫌なようだった。

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