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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第12章 天津水
神依はにこりと笑う。
***
そうしてようやく、その長い長い夜は明けていった。
深夜からの薄い雨は明け方まで続き、また少しずつ季節の色を変えていく。
「…………」
そして新たに増えた小さな小さな子兎の神は、その雨を避けるように縁側の下に潜り込み、ずっとずっと、新たな家族となる人間達の話に耳をそばだてていた。
その隣には、何も言わずただ嬉しそうに笑む鼠軼がいて──兎神も、聞こえてきたたくさんの優しい言葉に、仲間達からいじめられてついた傷が少しずつ痛くなくなっていくような気がした。
伍名様の言う通り、ここにきて良かったかもしれないと思った。
やがて、静かに家の灯が消える。
「…………」
空が明るくなったら、あの巫女は自分にも優しい言葉をかけてくれるだろうか。この傷を、労ってくれるだろうか。
小さな兎は寒さに負けないようあの取れたての綿のように丸く身を縮め、そんなことを思いながら目を閉じた。本当はちょっと眠かった。
「……」
目を閉じればそこは暗闇で、長い長い夜がまた来たような気がした。
そういえば、月の世界にも兎がいるという。さっきの空はそんな月と雨と、怖いのと優しいのが混ざったような、変な天気をしていた。
***
そうしてようやく、その長い長い夜は明けていった。
深夜からの薄い雨は明け方まで続き、また少しずつ季節の色を変えていく。
「…………」
そして新たに増えた小さな小さな子兎の神は、その雨を避けるように縁側の下に潜り込み、ずっとずっと、新たな家族となる人間達の話に耳をそばだてていた。
その隣には、何も言わずただ嬉しそうに笑む鼠軼がいて──兎神も、聞こえてきたたくさんの優しい言葉に、仲間達からいじめられてついた傷が少しずつ痛くなくなっていくような気がした。
伍名様の言う通り、ここにきて良かったかもしれないと思った。
やがて、静かに家の灯が消える。
「…………」
空が明るくなったら、あの巫女は自分にも優しい言葉をかけてくれるだろうか。この傷を、労ってくれるだろうか。
小さな兎は寒さに負けないようあの取れたての綿のように丸く身を縮め、そんなことを思いながら目を閉じた。本当はちょっと眠かった。
「……」
目を閉じればそこは暗闇で、長い長い夜がまた来たような気がした。
そういえば、月の世界にも兎がいるという。さっきの空はそんな月と雨と、怖いのと優しいのが混ざったような、変な天気をしていた。

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