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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第12章 天津水
 禊がそれを取れば、神依は打ち掛けと寝着の袖を捲りずいっと自らの手を伸ばして見せた。
「おそろいなの。結んで」
「……はい」
禊は頷くと、一度自らの手首にあるものをほどき、それを神依の手首に結ぶ。そして残った下手くそな飾りを、再び神依に差し出した。
「禊──」
「貴女にこのような無様なものを身に付けさせるわけには参りません。……どうぞ、貴女様がもう一度」
「一ノ兄は、姉ちゃんが一番最初に作ったのがいいって」
「……本当、ばか」
 せっかく綺麗にできたのを選んだのに、と文句を言いながら神依は再び禊の手を取る。
 細く小さな、それでも……断ち切り難い、手枷。賢い従者は、きっとそれももう分かってくれているのだろう。
「……これを作るのに、夜更かししていらっしゃったのですね」
「うん。……日嗣様や猿彦さんが来るようになってから、禊が私から離れていたの、知ってる。それが……本当はすごく嫌だったの。本当は……私は禊とか巫女とか、神様とか関係なく、みんなで一緒に居たかったから。だからこれはそうなれるように、みんなで作ったお守り。仕事には邪魔かもしれないけど……大事にしてね」
「……」
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