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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第12章 天津水
「──だから、私最初に聞いたじゃない。どうしてそんなに私に尽くしてくれるのって、私ちゃんと聞いたじゃない……!! 禊はなんて答えたか覚えてる? 禊は、私が巫女だから……巫女だから、禊だからって言った。そういうものだからって。──全然違うじゃない、馬鹿、嘘つき」
「……申し訳ありません」
せっかく新調した厚い打ち掛けは、もうその袖を涙に濡らして色を変えてしまっていた。
神依は悲しんでいるのか怒っているのか自分でも分からない涙を溢し、禊と、ずっとその傍らに在って支えてきた童を問い詰める。
それはもう、本当に手遅れだと分かってはいたが……そうせずにはいられなかった。
「童も知ってたんだよね?」
「うん。……特に一ノ兄は、今まで付いてた巫女さんが全部高天原に召し上げられてるから……もう何度もそれを繰り返してて、可哀想なんだよ。だから俺は、神依様だったらいいなって」
「……なんで……」
「……」
もはや拭うことすら放棄された顔に、禊は小さく息を吐き手拭いを取り出し神依に差し出す。
しかしそれで余計に涙を増やした神依は、そのままの顔で禊を責めた。
「……どうして、最初に言ってくれなかったの。そしたら、私だって──」
「……」
「……申し訳ありません」
せっかく新調した厚い打ち掛けは、もうその袖を涙に濡らして色を変えてしまっていた。
神依は悲しんでいるのか怒っているのか自分でも分からない涙を溢し、禊と、ずっとその傍らに在って支えてきた童を問い詰める。
それはもう、本当に手遅れだと分かってはいたが……そうせずにはいられなかった。
「童も知ってたんだよね?」
「うん。……特に一ノ兄は、今まで付いてた巫女さんが全部高天原に召し上げられてるから……もう何度もそれを繰り返してて、可哀想なんだよ。だから俺は、神依様だったらいいなって」
「……なんで……」
「……」
もはや拭うことすら放棄された顔に、禊は小さく息を吐き手拭いを取り出し神依に差し出す。
しかしそれで余計に涙を増やした神依は、そのままの顔で禊を責めた。
「……どうして、最初に言ってくれなかったの。そしたら、私だって──」
「……」

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