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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第12章 天津水
***
本来“禊ぎ”とは、神事や祭の前、或いは身に穢れがある時、その身を海や川の水で洗い浄めることをいう。
それを聞いた神依はすぐに原初の男神の話を思い出した。きっと大元はここだろうと思いながら静かに相槌を打ち、目の前の青年を見つめる。
「……ですから、貴女は先ほど神との情事を私や童に見られること、その後の清めを私にされることを厭(いと)われていらっしゃいましたが──伍名様の仰る通り、貴女様が気になさることは本当に微塵も無いのです」
「それって……」
「はい。禊はその名の通り──神と交わり、神に乱された巫女の体を清め、洗い流す者。その役職名が“禊”です。
日々の生活の中では主となる巫女や覡の傍らに侍り、その身と生活を守り、尽くす。そして主がどんな生き方を選択しようとも、それを受け入れ、共にある。時には教育も致しますが、私達の大事は主が心身共に健やかな日々を送ることですから、主がそれをお厭(いと)いになるなら即座に止めます。
そして夜は、主が天降った神々と睦んでいる間も傍らに控え、或いは神の手足となり動き、その一部始終を目の当たりにしてなお、神が帰ってのち残された主を何事もなく清める。それが──“禊”というものです」
「ん……」

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