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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第12章 天津水
日嗣のことを考えれば、あまり行きたくないような気もした。
「……今日の進貢からは、稲穂になさるとよろしいでしょう」
しかし、それは思いがけない声に払拭される。
「そして……もし許されるなら、今日の進貢は社まで御一緒させて頂きたいのです。また、他の巫女からは多少好奇な目で見られるかもしれませんが」
「禊……」
「御令孫のことをお考えになっていたのでしょう。謝らなくても、もう私は大丈夫ですから……どうぞこのつまらない話にだけは、最後までお付き合い下さい」
「……」
うつむく神依に対し、禊はどこかさっぱりとしたような……温かみのある静けさを含んだ口調でそれを告げる。そして、
「一ノ兄……やっぱり、全部話すんだな」
「ああ」
「……そっか。俺も、その方がいいと思う。それに泣き落としって、神依様には絶対効くぜ」
「……お前の呑気さには、本当に助けられる」
「だから御令孫も猿彦様と一緒にいるんだと思うな」
ただ一人全てを知って、なお最後まで支えてやると言ってくれた弟分と笑みを交わすと、禊は再び顔を上げてくれた主と向き合い──ゆっくりと語り始めた。
「……今日の進貢からは、稲穂になさるとよろしいでしょう」
しかし、それは思いがけない声に払拭される。
「そして……もし許されるなら、今日の進貢は社まで御一緒させて頂きたいのです。また、他の巫女からは多少好奇な目で見られるかもしれませんが」
「禊……」
「御令孫のことをお考えになっていたのでしょう。謝らなくても、もう私は大丈夫ですから……どうぞこのつまらない話にだけは、最後までお付き合い下さい」
「……」
うつむく神依に対し、禊はどこかさっぱりとしたような……温かみのある静けさを含んだ口調でそれを告げる。そして、
「一ノ兄……やっぱり、全部話すんだな」
「ああ」
「……そっか。俺も、その方がいいと思う。それに泣き落としって、神依様には絶対効くぜ」
「……お前の呑気さには、本当に助けられる」
「だから御令孫も猿彦様と一緒にいるんだと思うな」
ただ一人全てを知って、なお最後まで支えてやると言ってくれた弟分と笑みを交わすと、禊は再び顔を上げてくれた主と向き合い──ゆっくりと語り始めた。

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