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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第12章 天津水
何故か納得してしまう言い分と思いやりに後押しされ、三人は神依の部屋に向かう。
「ああ、懐かしのお布団!」
そうして見慣れた部屋で見慣れたように敷かれた布団を見た神依は、長旅を終えた心地で飛び付くように布団に寝そべる。しかし即座に禊に行儀が悪いと叱られ、渋々畳に座り直した。
 童が用意してくれた甘みの強いお茶で一息吐けば、本当にがちがちだった頭や体がほぐれていくような気がする。
「一回くらい、みんなで同じ部屋で寝てみたいね。それでたくさんお喋りして、夜更かしするの」
「そしたら俺、一ノ兄に一筆書いて貰わないと匠に寝坊すんなって怒られる。ていうか、今日も書いてくれるよな?」
「今日は……仕方ない」
「へえ、そんなふうになってるんだ」
「貴女様は寝る暇も無くすぐに進貢だということをお忘れなく」
「……」
それは許してもらえないのかと思ったが、また今日からは一つ花を増やさないといけない。
 (それに……)
以前、妻問いの話をされて焦る神依を日嗣と猿彦が訪ねてくれたことがあった。
 だからあれは本当に、神様の元へ届く祈りなのだと神依は知っている。だから今日は、どんな気持ちであの水穂を捧げたらいいのか──
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