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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第11章 連理
見間違いかと手を動かせば、それは細い細い光の筋となって揺らぎ存在をあらわにする。その光の糸は臍の尾のようにくるくるとして空中を漂い、手に合わせてその動きを収束させた。
光の加減か、その糸の末は空気に混じって見えなかったが……。
「……伍名様……これは?」
それを問う神依の眼差しもまたその見えない糸を追い、神依自身の手をその瞳に映していた。腹の上で、心の残滓を抱いた手。
伍名は神依のその手に自らの手を重ね、優しく腹を撫でさせる。
「それが、縁というものだ。……禊。その指は、人の世では心の臓に繋がる指だと言われている」
「……心臓に?」
「そう、心に。……お前のそれはまだ間違いなく、神依のものと繋がっている。だから何も……恐れることはない。そしてやはり、諦めることはないんだよ。お前が一人の男として立ち上がるなら……御令孫かて、一人の男としてお前の正面に立ちはだかってくれるだろう」
「……」
「……これが今日まで耐えたお前に与えられる、私と猿彦のせめてもの慈悲だ。だから去るか残るか、お前が自分で選びなさい。……神依に朱印を刻みたい。先に申した通り、その操は守ろう。それでも……手伝ってくれるかい?」
「……」
光の加減か、その糸の末は空気に混じって見えなかったが……。
「……伍名様……これは?」
それを問う神依の眼差しもまたその見えない糸を追い、神依自身の手をその瞳に映していた。腹の上で、心の残滓を抱いた手。
伍名は神依のその手に自らの手を重ね、優しく腹を撫でさせる。
「それが、縁というものだ。……禊。その指は、人の世では心の臓に繋がる指だと言われている」
「……心臓に?」
「そう、心に。……お前のそれはまだ間違いなく、神依のものと繋がっている。だから何も……恐れることはない。そしてやはり、諦めることはないんだよ。お前が一人の男として立ち上がるなら……御令孫かて、一人の男としてお前の正面に立ちはだかってくれるだろう」
「……」
「……これが今日まで耐えたお前に与えられる、私と猿彦のせめてもの慈悲だ。だから去るか残るか、お前が自分で選びなさい。……神依に朱印を刻みたい。先に申した通り、その操は守ろう。それでも……手伝ってくれるかい?」
「……」

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