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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第11章 連理
「神依、お前にも辛い思いをさせてすまなかった。……彼が、怖いかい?」
「……」
伍名は、青年を物言いたげに見つめる腕の中の少女に問う。そして神依は、少しの沈黙のあと緩く頭を横に振った。
まったく怖くないと言えば嘘になる。それでも……あの涙を見た時、ようやくいつもの禊に戻ってくれたんだ、という安堵の気持ちがあったのも事実だ。そして童もそれを信じている。
胸元をくすぐった髪に、伍名はほのかに笑み、頷いた。
「……ありがとう。神依、禊、そして童。今夜のあらゆることが、お前達には辛く、痛みを帯びるものだったかもしれない。けれどその痛みのどれもが、お前達には必要なものであったことを分かってほしい。……というのは……神たる私の傲慢だが」
「……」
「禊、左手を出しなさい」
「……は……? ……はい」
禊は何を言われているのか分からず、しかしそれでも言われた通りのろのろと左手を伸ばす。
そしてそれをじっと見つめるかつての主の視線に、居心地の悪さと共にほのかな喜びを感じてしまう自分を救いようの無い馬鹿だと自嘲していれば……その内の一本の指に、何かきらきらと光るものがまとわりついていることに気付いた。
「……!?」
「……」
伍名は、青年を物言いたげに見つめる腕の中の少女に問う。そして神依は、少しの沈黙のあと緩く頭を横に振った。
まったく怖くないと言えば嘘になる。それでも……あの涙を見た時、ようやくいつもの禊に戻ってくれたんだ、という安堵の気持ちがあったのも事実だ。そして童もそれを信じている。
胸元をくすぐった髪に、伍名はほのかに笑み、頷いた。
「……ありがとう。神依、禊、そして童。今夜のあらゆることが、お前達には辛く、痛みを帯びるものだったかもしれない。けれどその痛みのどれもが、お前達には必要なものであったことを分かってほしい。……というのは……神たる私の傲慢だが」
「……」
「禊、左手を出しなさい」
「……は……? ……はい」
禊は何を言われているのか分からず、しかしそれでも言われた通りのろのろと左手を伸ばす。
そしてそれをじっと見つめるかつての主の視線に、居心地の悪さと共にほのかな喜びを感じてしまう自分を救いようの無い馬鹿だと自嘲していれば……その内の一本の指に、何かきらきらと光るものがまとわりついていることに気付いた。
「……!?」

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