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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第11章 連理
「──…禊」
「……」
今度は「こっちへ来て」という声音で呼ばれたが、もうそれに従う資格は自分には無い。
禊は衣だけ整えると神依から離れ、部屋の隅に向かうとただ座して頭を畳に擦り付けた。
「……申し訳ありません。私はもう、貴女様にそう呼んでいただく資格はありません」
「禊」
「貴女様のような優秀な巫女にはより優秀な禊が相応しいと、私から洞主様に顛末をお話致します。このような醜態を晒して、一の位など……おこがましい。せめて貴女様の御心が安らぐよう、童は置いていきますので。幼いながら道理をわきまえ、けだものから貴女様を護った優秀な者です。ゆくゆくは、貴女様を佐(たす)ける一の者となりましょう。ですからどうか、今まで通り懇意に」
「一ノ兄──」
それを聞き、神依はもちろん童までもがみるみる目を丸くする。そして童はまた、禊が一番の下座にあるのは自分すら憚っているのだと悟って子供ながら苦々しく顔を歪め叫んだ。
「俺そんなの嫌だ! ぜってぇ嫌だからな!! 大体一ノ兄より優秀な禊がどこにいるんだよ、御霊祭だってそうだったろ!! だから俺だって一ノ兄を選んだのに──他の禊なんて寄越しやがったら、俺が追い払ってやるからな!!」
「一ノ弟!!」
「……」
今度は「こっちへ来て」という声音で呼ばれたが、もうそれに従う資格は自分には無い。
禊は衣だけ整えると神依から離れ、部屋の隅に向かうとただ座して頭を畳に擦り付けた。
「……申し訳ありません。私はもう、貴女様にそう呼んでいただく資格はありません」
「禊」
「貴女様のような優秀な巫女にはより優秀な禊が相応しいと、私から洞主様に顛末をお話致します。このような醜態を晒して、一の位など……おこがましい。せめて貴女様の御心が安らぐよう、童は置いていきますので。幼いながら道理をわきまえ、けだものから貴女様を護った優秀な者です。ゆくゆくは、貴女様を佐(たす)ける一の者となりましょう。ですからどうか、今まで通り懇意に」
「一ノ兄──」
それを聞き、神依はもちろん童までもがみるみる目を丸くする。そして童はまた、禊が一番の下座にあるのは自分すら憚っているのだと悟って子供ながら苦々しく顔を歪め叫んだ。
「俺そんなの嫌だ! ぜってぇ嫌だからな!! 大体一ノ兄より優秀な禊がどこにいるんだよ、御霊祭だってそうだったろ!! だから俺だって一ノ兄を選んだのに──他の禊なんて寄越しやがったら、俺が追い払ってやるからな!!」
「一ノ弟!!」

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