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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第11章 連理
 滲む視界は、むせたからだろうか。けれど単なる生理反応なら、どうしてこんなに心臓が痛むのだろう。
 その胸の痛みは、あらゆる無念さを禊に刻んでいく。そして痛みを伴う記憶は、一生消えることはない。
 禊という従僕としても在れず、ただ一人の男としても在れない痛み。激痛。
 牙を剥いたはずの肉塊は今やこの上なく己の惨めさを表すものとなり、情けなくて、口惜しくて……。一番大切だったはずの存在に一番近い場所にいながら何故それをできなかったのかと憤る自分と、それでも欲望のまま花をむしらなくて良かったと安堵する自分がいて、そのどちらもが意識の臓腑をえぐっていく。
 そして禊は「それ」を血の生ぬるさだと思ったけれども、ぽたぽたと、ふっくらとして温かいその場所に、同じくらい温かく丸みを帯びた水が落ちていった。
 そして、
「……みそぎ?」
「……神依……様」
ややあって、もう聞き慣れた、耳触りの良い声で再びそう呼ばれたとき、禊はようやく頬に伝うそれに気付いた。
 神と童に支えられ体を起こしていた主は、やはりその頬に同じものを湛えていたが──ぽかんと、これもまた見慣れた呆けた顔で、こちらを見ていた。愛しい愛しい、あどけない阿呆面。
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