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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第11章 連理
 そしてそれを自覚した途端、小さな小さな嗚咽が空気に混じっているのに気付いた。
 見下ろせば、何よりも──自分の命よりも大切な主が、決してあってはならない姿で横たわっていて、両腕で顔を隠し泣きじゃくっている。
 「……様」
呟いた声は少女には届かない。
 ただ返されるのは、ごめんなさい、ごめんなさいという……今にも消えそうな、かすれた声で紡がれる謝罪の言葉。
 何を──彼女が謝ることがあるのだろう。
 この世界に彼女が謝らなければならないことなど無いはずなのに。彼女の唇が紡ぐのは、あらゆる喜びや幸せの言葉だけでいいはずなのに。そうあるように、自分は“禊”として……肉体的にも精神的にも、あらゆる禍(わざわい)から彼女を遠ざけ……護らなければいけなかったのに。
 (……俺は今……何をしていたんだろう)
 嫌な汗が顔に滲む。なのに腰の辺りに痺れるような心地好さと熱が残り、それを自覚した途端、頭の中が真っ白に凍り付いた。その寒気にざわっと肌が粟立って、ビリビリと痛いほどに突っ張るのを感じた。
 喉が渇く。
 ごくりと唾を呑み込み視線を下に遣れば、
「……ッ」
まだ硬さを保った己の雄が、その女を今にも引き裂こうと先端を花の中に埋(うず)めていた。
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