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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第11章 連理
今日まで自分を救い、守ってくれていた青年はもうここにはいないのだ。神依にも、それだけは理解できた。
青年の纏う空気は神依を威圧するものに変わり、灯の色を灯し温かだった眼差しも、同じ色をしているのに今は氷のように鋭利だった。ただただ──怖かった。
「……神依様」
「……」
その呼び掛けに神依は答えず、ただ神の胸に顔を埋め頭を横に振る。
それに対して禊もそれ以上は何も言わず、ただ腰を上げると伍名と神依の前に跪き、怯える神依にゆっくりと手を伸ばした。
「……っ」
「……」
その気配を感じて、神依は恐怖に短く息を呑む。
しかしその手は、子供のように伍名の衣を掴む神依の指先に向かい、その指を丁寧に解いていった。
小指、薬指、中指、人差し指。
「ぅ……」
だが神依にはそれが、食らわれるために解体されていく家畜のように思えた。代わりに、櫛を握らせてくれた優しい指先が思い浮かんでじわじわと涙が滲み、視界が揺らぐ。
親指をほどくと禊はそのまま手首を掴み、神依が逆らえないほどの力で神から引き剥がした。
「あっ!?」
その一瞬の出来事に神依は何もできず、打ち捨てられた寝着を巻き込み酒や杯を散らして畳の上に投げ出される。
青年の纏う空気は神依を威圧するものに変わり、灯の色を灯し温かだった眼差しも、同じ色をしているのに今は氷のように鋭利だった。ただただ──怖かった。
「……神依様」
「……」
その呼び掛けに神依は答えず、ただ神の胸に顔を埋め頭を横に振る。
それに対して禊もそれ以上は何も言わず、ただ腰を上げると伍名と神依の前に跪き、怯える神依にゆっくりと手を伸ばした。
「……っ」
「……」
その気配を感じて、神依は恐怖に短く息を呑む。
しかしその手は、子供のように伍名の衣を掴む神依の指先に向かい、その指を丁寧に解いていった。
小指、薬指、中指、人差し指。
「ぅ……」
だが神依にはそれが、食らわれるために解体されていく家畜のように思えた。代わりに、櫛を握らせてくれた優しい指先が思い浮かんでじわじわと涙が滲み、視界が揺らぐ。
親指をほどくと禊はそのまま手首を掴み、神依が逆らえないほどの力で神から引き剥がした。
「あっ!?」
その一瞬の出来事に神依は何もできず、打ち捨てられた寝着を巻き込み酒や杯を散らして畳の上に投げ出される。

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