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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第11章 連理
一体伍名が何を言っているのか、もう神依には微塵も理解できなかった。
あの甘い酒を飲むか飲まないか、選べというから選んだのに。
永遠にも近い時の中でただ一人、罪と孤独とに苛まれてきた神を想い……選んだのに。
選んだら──今度は禊と童にそっぽを向かれて。
今は自らが選んだ答えとは真逆のものに、その身を脅かされている。
「……」
神は答えてくれない。ただその視線を辿るように見慣れぬ従者の姿を瞳に映せば、
「……貴女には、分かりません。……分からないでしょう……、……神依様」
「っ……」
禊は神依が今まで耳にしたことが無いような、低く、絞り出すような声で……ようやく、口を開いた。
それはさながら、眠りから覚めた獣だった。餓えて餓えて、その灼けつくような腹の痛みに唸る獣。
「い……いや……」
神依は本能的に、隠れるように神の衣に身を寄せ、すがるようにその衣を掴む。
それが無意味だとも分かっていた。この神の存在は、今や神依に取っては自らを囲う檻。この腕と膝に抱かれている限り逃げられない。元より薬を含まされ、もう体も言うことを聞かないけれど。けれども、そうせずにはいられなかった。
あの甘い酒を飲むか飲まないか、選べというから選んだのに。
永遠にも近い時の中でただ一人、罪と孤独とに苛まれてきた神を想い……選んだのに。
選んだら──今度は禊と童にそっぽを向かれて。
今は自らが選んだ答えとは真逆のものに、その身を脅かされている。
「……」
神は答えてくれない。ただその視線を辿るように見慣れぬ従者の姿を瞳に映せば、
「……貴女には、分かりません。……分からないでしょう……、……神依様」
「っ……」
禊は神依が今まで耳にしたことが無いような、低く、絞り出すような声で……ようやく、口を開いた。
それはさながら、眠りから覚めた獣だった。餓えて餓えて、その灼けつくような腹の痛みに唸る獣。
「い……いや……」
神依は本能的に、隠れるように神の衣に身を寄せ、すがるようにその衣を掴む。
それが無意味だとも分かっていた。この神の存在は、今や神依に取っては自らを囲う檻。この腕と膝に抱かれている限り逃げられない。元より薬を含まされ、もう体も言うことを聞かないけれど。けれども、そうせずにはいられなかった。

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