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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第11章 連理
 (……もう、どうでもいいはずだったのに)
 今更なにを言われたところで末は変わらない。否、これは最初から決まっていたことなのだから、それでよかった筈なのに。
 ──あの日。
 切羽詰まった様子の洞主に呼び出され、白砂の浜に向かった時。向かった先にはもう既に……産着のように神の衣を纏った少女がいた。そして反射的に、巫女だと思った。
 だがそれと同時に……今度もまた、“禊”としての望みが叶わないことも判った。
 よりによって相手はあの“天孫”。しかも過去の過ちから女性を遠ざけ、淡島でも巫女嫌いを通しているはずのその神が、慈悲を与えている。
 もう何回この光景を思い描いただろう。考えただろう。分からない。
 更にその隣には、細やかながら縁を結ぶ神がいて──。
 だからもしも二人が結ばれれば、きっとこの男神は今までの反動のように、深く大きな愛情をこの少女に注ぐのだろうと思っていた。
 だから──だから。
 どうせ自分は人ではない。“禊”という、巫覡に仕え、神に従う──逆らうことすら許されない、物なのだから。
 また何も知らないふりをして、何も見ず、何も語らず、何も想わず、主となる巫女とその伴侶たる神に仕えていけばいいと思っていたのに。
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