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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第11章 連理
【2】

 ……はあ、と。
 一息にそれを飲み干した神依は、空気を求めて一つ大きく呼吸する。特に変な味はしなかった。というより、そもそも酒自体が神依に取ってはまだ変な味なのだ。
 「……」
禍津霊に襲われたときのような体の異変はまだ無い。それでもこれでいいのだろうかと伍名を見上げれば、伍名は幾ばくか憂いをこめた表情で……こちらを見ていた。自身と、禊の二人を見ていた。
 「……伍名様……?」
これからどうすればいいのか、問えば伍名は静かにそれに応える。
「……それを、選んでくれてありがとう。だが──神依」
「……はい」
「選ぶということはまた、何か別のものを犠牲にするということだ。お前はそれを──知らなければならない。お前はきっと何も知らされていなかっただろうから、その無知はお前のせいではないが、罪ではある。罪は償わなければならない。そして真に潔白となったときこそ、御令孫に身をゆだねるといい」
「どういう……意味ですか?」
神依が問えば……それを示すように、伍名の視線がすっと隣に反れる。
 「……」
「み……禊……?」
そしてそれを追うようにそちらを見れば、そこにはまるで面のように表情を凍り付かせる禊の姿があった。
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