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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第11章 連理
「稲穂の、神様なのですね……」
「……そう。……よくぞ、魂を見抜いた」
「……」
その答えを貰うのと同時に、思い出のどこかでひょうきんな声が聞こえてくる。
──神依は初酒か?
──酒が何からできるか知ってるか?
──好きになってくれると嬉しいんだけどな。
もう、ずっとずっと以前から──猿彦が結ぼうとしていた縁。
それは国土を豊ます、稲田の縁だった。
彼ら国津神は神依に、日嗣が潤い穂を実らす田になれと言っているのだ。
つまり、それは──。
「……御令孫には私から事情をお伝えしよう。神依、お前は……安んじて、私の威を受け入れなさい」
「……」
「神依様──」
神依は答えない。代わりに口を開いたのは、ずっと三人から少し離れて座していた童だった。
童は一部始終を眺めて、ただ主の名を口にする。そしてその表情と声で、禊は理解した。頭では理解して……しかし、それを自分の目で見るまでの数秒は信じられなかった。
だがすがるような願いと共に禊が背後の主に振り向いたとき──その手の盃は、もう、空になっていた。
それが、神依の選んだ答えだった。
「……そう。……よくぞ、魂を見抜いた」
「……」
その答えを貰うのと同時に、思い出のどこかでひょうきんな声が聞こえてくる。
──神依は初酒か?
──酒が何からできるか知ってるか?
──好きになってくれると嬉しいんだけどな。
もう、ずっとずっと以前から──猿彦が結ぼうとしていた縁。
それは国土を豊ます、稲田の縁だった。
彼ら国津神は神依に、日嗣が潤い穂を実らす田になれと言っているのだ。
つまり、それは──。
「……御令孫には私から事情をお伝えしよう。神依、お前は……安んじて、私の威を受け入れなさい」
「……」
「神依様──」
神依は答えない。代わりに口を開いたのは、ずっと三人から少し離れて座していた童だった。
童は一部始終を眺めて、ただ主の名を口にする。そしてその表情と声で、禊は理解した。頭では理解して……しかし、それを自分の目で見るまでの数秒は信じられなかった。
だがすがるような願いと共に禊が背後の主に振り向いたとき──その手の盃は、もう、空になっていた。
それが、神依の選んだ答えだった。

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