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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第11章 連理
「そう。そして生まれ出でた子には血統を示すよう、大体背からお尻の辺りにその神の朱印が刻まれているのだが──まあこれは人の世の児斑と同じで、時と共に消えてしまう。それだけは神として生まれた子も人として生まれた子も、また水蛭子として生まれた子も変わらない。
けれど何にしてもそれは、互いに深き愛情さえあれば男にも女にも至上の幸福となるものだろう? もしも御令孫がお前にそれを望んだのならば──それは今となっては、国を挙げての慶事だ」
「……」
その一連の伍名の語りに、一度は落ち着いたはずの神依の頬が徐々に赤らみ、最後はもう目すら合わせられず不純な酒を眺めることしかできなくなった。
 あの櫛を貰ったとき自分は日嗣と何を話していたのだろう。日嗣がそこまで考えていたとは思わないが、でも──あの時の空気は確かに色を帯びて、自らもその男神の悪戯に酔ってしまっていた。
 きっと、多分。
 そこに“至るまでの過程”を求められ、求めてしまっていた。
 そしてそれを理解した瞬間に、心の奥底がじんと甘く痺れるように騒ぎ出す。
 「ち──違、そんな……でも」
「違わないさ。神依、お前は……おそらく今、御令孫と最もそうなる確率が高い巫女だということだ」
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