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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第11章 連理
 ただ一点、二人を信じることを考えれば──同じでなければならなかった。
「……分かった。……禊」
「はい」
「私……あなたを信じてる。……帯を解いて」
「はい。……申し訳ありません」
「ううん」
 その短いやり取りで、二人にはもう充分だった。
 禊が帯に手を掛ければ、神依は胸元だけ寝着の衿が落ちないよう乳房を抱くように庇う。するとすぐにしゅる、と布のずれる音がして、お腹の辺りが幾分か楽になった。
 (……日嗣様との約束、また破っちゃうな)
そんなことを思いながらうつむくように手元を見れば……衣がするりと動き、あらわにされた細やかな胸の谷間が羞恥心をもたらす。
 「……」
そして禊は静かに、その右肩を神の前に晒した。
 「──…」
その瞬間、音無く伍名が息を呑む。
 白いうなじから緩やかな曲線を描く肩、そこに流れる艶やかな黒髪。吸い付くようにしっとりとした肌は夜の気配の中では年以上に艶かしく浮かび上がって……。
 少女は物言いや振る舞いとはちぐはぐに、巫女として“旨そう”な女の肢体をしていた。
 おそらく傍らの従者が大切に磨き、慈しんできた肉の器。そしてそれは──神の贄(にえ)にするに相応しい、有様でもあった。
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