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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第11章 連理
「……成程、優しいというのは確かに生き辛い。ならばここに在る者の中で一番優しいのは、そう言ってくれるお前だろう」
「……」
その伍名の言葉に禊は応えず、代わりに神依が頷く。
「……私には、禊や童……猿彦さんや鼠軼様達がいました。助けてくれる人達がいたんです。……お父さんには、いなかったのですか?」
「──いや、もちろんいたさ。そしてそれもまた、お前と同じだ。お前の父は兄弟から疎まれ、苛まれ……命を奪われかけ。代わりにその都度、母や女神──端神達に救われた。それを思えば、あの御霊祭でのお前の痛みも……父によく似た縁あってこそかもしれない」
「……」
「そしてお前の父は、母達の勧めに従い根の国に赴いた。地上にいてはいつまでも兄達に命を脅かされてしまうから、根の国に在る偉大な天津神を頼りなさいと。そして訪れたそこで、その御殿の扉越しに出迎えてくれた美しい女神と──瞬く間に恋に落ちた」
「……」
それは──それはどこか、いつか見た物語に似ている気がした。もちろんそれは、伍名の語る物語と同じように端的ではあったけれど。
だがもしも……あの原初の男神と女神が、伍名のようにできていたら。
「……」
その伍名の言葉に禊は応えず、代わりに神依が頷く。
「……私には、禊や童……猿彦さんや鼠軼様達がいました。助けてくれる人達がいたんです。……お父さんには、いなかったのですか?」
「──いや、もちろんいたさ。そしてそれもまた、お前と同じだ。お前の父は兄弟から疎まれ、苛まれ……命を奪われかけ。代わりにその都度、母や女神──端神達に救われた。それを思えば、あの御霊祭でのお前の痛みも……父によく似た縁あってこそかもしれない」
「……」
「そしてお前の父は、母達の勧めに従い根の国に赴いた。地上にいてはいつまでも兄達に命を脅かされてしまうから、根の国に在る偉大な天津神を頼りなさいと。そして訪れたそこで、その御殿の扉越しに出迎えてくれた美しい女神と──瞬く間に恋に落ちた」
「……」
それは──それはどこか、いつか見た物語に似ている気がした。もちろんそれは、伍名の語る物語と同じように端的ではあったけれど。
だがもしも……あの原初の男神と女神が、伍名のようにできていたら。

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