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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第10章 身寄り
神依は散々噂されたように処女を散らされ──或いはそれによって巫女たる魂が目覚めれば、一夜の背となる神をより一層激しく求め、その身を快楽の渦に沈めていたかもしれない。
愛情の無きままに……それを日嗣の過去に重ねれば、とても悲しくて、胸が痛んだ。もしそれを許したら、その──今の日嗣自身に許してもらえなくなるような気がして、神依はそれも嫌だった。嫌で嫌で、堪らなかった。
「……」
そしてそんな主の度を越えた不安や困惑を感じた禊は、自分が引き受けることを視線で告げるとそのまま深く頭を下げる。
「恐れながら……御前におかれましては、国津神八百万を戴き最も和(にぎ)なる御霊を御身内に宿す、仁徳厚き神ならんことを言の葉のよすがに──主に代わり、申し上げたきことがございます」
「許そう。何だい」
「はい。……主は淡島に流れ着いた日より、人前で無意に肌を晒すことを好まれません。禊である私も、当初はそれを拒まれました。ですので──真に妻問いではないと仰せられるのであれば、どうか寛大なる御慈悲と御容赦を賜りたく」
「ほう──それはまた」
伍名は殊更に平伏する禊の肩を柔く叩き顔を上げさせると、特に振る舞いを変えることなく続けた。
愛情の無きままに……それを日嗣の過去に重ねれば、とても悲しくて、胸が痛んだ。もしそれを許したら、その──今の日嗣自身に許してもらえなくなるような気がして、神依はそれも嫌だった。嫌で嫌で、堪らなかった。
「……」
そしてそんな主の度を越えた不安や困惑を感じた禊は、自分が引き受けることを視線で告げるとそのまま深く頭を下げる。
「恐れながら……御前におかれましては、国津神八百万を戴き最も和(にぎ)なる御霊を御身内に宿す、仁徳厚き神ならんことを言の葉のよすがに──主に代わり、申し上げたきことがございます」
「許そう。何だい」
「はい。……主は淡島に流れ着いた日より、人前で無意に肌を晒すことを好まれません。禊である私も、当初はそれを拒まれました。ですので──真に妻問いではないと仰せられるのであれば、どうか寛大なる御慈悲と御容赦を賜りたく」
「ほう──それはまた」
伍名は殊更に平伏する禊の肩を柔く叩き顔を上げさせると、特に振る舞いを変えることなく続けた。

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