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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第10章 身寄り
 しかしそれでもその秘密をこの神に告げたのは……ひととなりも含めこの神がそれを知るに足る神であり、それが必要なことであったか、何か意味があることに違いない。
 違いないのだが……。
 まるで二人の不安を表すように行灯の火がゆら、と揺れ三人の影を震わせる。
 儚い明かりの中、どこか怯えを含んだような驚愕の表情で自身を見る神依と禊に、しかし伍名は軽く頭を横に振って大丈夫だと示した。
 「……禊、お前なら分かるだろう。御令孫は天津神でありながら我々国津神に取っても特別な存在。故に、そのことを悪しきに使い、また吹聴してその御身を汚すことは絶対に致さぬ」
「それは……存じておりますが」
「うん。──そして神依。お前はただ友たる猿彦を信じれば良い。……それは、できるね」
「は……はい。でも……」
 神依達には、この神の意図が分からない。分からないから恐れてしまう。
 伍名は優しく神依の手を取り自身の両手で包むと、まるで親が子供に言い聞かせるように言葉を続けた。
「……では、少しずつ順番に話そうか」
「……はい」
神依が頷くと伍名は微かに笑みを深め、三人一緒の方がいいからと童を呼び禊の隣に座らせる。
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