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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第10章 身寄り
(なんだろう、私悪くないのにすごく恥ずかしい……! ……。何て言うか、……いろんな神様がいるんだなあ……)
そんなことを思いながら半分以上を聞き流している間に、話は禊によって勝手に進められていく。
「恐れながら……妻問いでなければ何を」
「元々は、個人的な興味でもあった。確かめたいこともあったし──猿彦から、少し変わった水蛭子が流れ着いたと聞いてね」
「あ……」
伍名は一度盃を傾けると炭鉢を見、冷えるからもう少しこちらへおいでと神依の肩に手を回す。
しかしあくまでもその手は優しく、強制的ではないのに何故か拒否できない。距離が縮まると、伍名は不意に声を潜めて言葉を続けた。
「……御令孫の、朱印の話も聞いている」
「──…!!」
その思いもよらない言葉に、神依と禊は息を呑み視線を交わす。
それは、今の神依に取って特に秘さねばならぬものだった。
身の異質さを秘め、他の巫女の嫉妬の怨嗟や憎悪が依り憑くのを防ぎ……今となってはあの日、初めてこの世界に来て初めて二人だけで過ごした時を、初めて触れ合いその腕に抱かれた証を、何人にも汚されないため。
そしてもちろん猿彦も、ある程度はその機密性を理解していたはずだった。
そんなことを思いながら半分以上を聞き流している間に、話は禊によって勝手に進められていく。
「恐れながら……妻問いでなければ何を」
「元々は、個人的な興味でもあった。確かめたいこともあったし──猿彦から、少し変わった水蛭子が流れ着いたと聞いてね」
「あ……」
伍名は一度盃を傾けると炭鉢を見、冷えるからもう少しこちらへおいでと神依の肩に手を回す。
しかしあくまでもその手は優しく、強制的ではないのに何故か拒否できない。距離が縮まると、伍名は不意に声を潜めて言葉を続けた。
「……御令孫の、朱印の話も聞いている」
「──…!!」
その思いもよらない言葉に、神依と禊は息を呑み視線を交わす。
それは、今の神依に取って特に秘さねばならぬものだった。
身の異質さを秘め、他の巫女の嫉妬の怨嗟や憎悪が依り憑くのを防ぎ……今となってはあの日、初めてこの世界に来て初めて二人だけで過ごした時を、初めて触れ合いその腕に抱かれた証を、何人にも汚されないため。
そしてもちろん猿彦も、ある程度はその機密性を理解していたはずだった。

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