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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第10章 身寄り
「……鼠軼様?」
神依がきょとんと呟くと、男神の方が先ににこやかに笑い口を開いた。
「──留守のようだったので、相手をしてもらっていたのだよ。私は鼠神に恩があってね、蔑ろにする訳にはいかない。鼠軼殿、楽しかった」
「こちらこそ、良きご縁を頂戴致しました。願わくは、我が守家(もりや)の主にも同じものを」
「無論」
男神は鼠軼を優しく祠に戻すと、再び神依の前にやってきて正面に立つ。
「勝手に上がらせてもらって申し訳ない。そのチ龍……お前が神依だね」
「……はい、……いつな様」
その名を口にすれば、すうっと整えられた眉の下、穏やかな瞳がなお柔く細まった。
「良き禊だ。……私は名乗るにいつも困る。私は名を五つ持っていてね。五は伍、そして名で伍名と」
伍名はそう言いながら、何かを探るようにじっと神依を見つめる。
華美な雰囲気こそ無いが、この神もまた日嗣とは異なる覇気を備えていて、その眼差しに捉えられた神依は動けなくなった。
……何か、心の奥がじんと熱くなるような気がする。素朴で純な力強さに抱かれて……それがするりと神依の中に入ってきて、繭のように魂を包み込む。……そんな感覚が広がった。
神依がきょとんと呟くと、男神の方が先ににこやかに笑い口を開いた。
「──留守のようだったので、相手をしてもらっていたのだよ。私は鼠神に恩があってね、蔑ろにする訳にはいかない。鼠軼殿、楽しかった」
「こちらこそ、良きご縁を頂戴致しました。願わくは、我が守家(もりや)の主にも同じものを」
「無論」
男神は鼠軼を優しく祠に戻すと、再び神依の前にやってきて正面に立つ。
「勝手に上がらせてもらって申し訳ない。そのチ龍……お前が神依だね」
「……はい、……いつな様」
その名を口にすれば、すうっと整えられた眉の下、穏やかな瞳がなお柔く細まった。
「良き禊だ。……私は名乗るにいつも困る。私は名を五つ持っていてね。五は伍、そして名で伍名と」
伍名はそう言いながら、何かを探るようにじっと神依を見つめる。
華美な雰囲気こそ無いが、この神もまた日嗣とは異なる覇気を備えていて、その眼差しに捉えられた神依は動けなくなった。
……何か、心の奥がじんと熱くなるような気がする。素朴で純な力強さに抱かれて……それがするりと神依の中に入ってきて、繭のように魂を包み込む。……そんな感覚が広がった。

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