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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第10章 身寄り
【3】
それからの神依は、妻問いの話などほとんど忘れて日々の生活を送っていた。そのくらい、慣れた誰かと一緒に知らない場所で過ごす時間は楽しかった。
日嗣と子供達と過ごした社は完全にお忍びで二人語らう場所になり、二人が──正確には入れ替わり立ち替わりで猿彦に禊、童も含め五人だが、五人が訪れていることは子供達の中でも“大人に知られてはいけない”絶対の秘密となった。
そして秘密の共有というのは一種その集団の絆を深める。本物のガキ大将と童は喧嘩をしながらも不思議な友情を築いていたし、猿彦は最初は一番“神様”として畏れられたが今はいい兄貴分となっていたし、禊は年端もいかない少女達に囲まれ、何を話しているのかしょっちゅう頭を抱えていた。
畑や家の仕事が忙しく、彼らが手伝いに駆り出されている時は会えなかったが──そんな時は玉垣から眼下を眺め並ぶ者と何事かを語らい過ごす。そうしている間に黄葉(もみじ)はいつしか錦をなし、稲穂も肥え黄金の色を濃くしては、里山を秋模様に織り上げていた。
その過ごした時間は、あの星海の中、神依が日嗣に望んだことの一端でもあった。
それからの神依は、妻問いの話などほとんど忘れて日々の生活を送っていた。そのくらい、慣れた誰かと一緒に知らない場所で過ごす時間は楽しかった。
日嗣と子供達と過ごした社は完全にお忍びで二人語らう場所になり、二人が──正確には入れ替わり立ち替わりで猿彦に禊、童も含め五人だが、五人が訪れていることは子供達の中でも“大人に知られてはいけない”絶対の秘密となった。
そして秘密の共有というのは一種その集団の絆を深める。本物のガキ大将と童は喧嘩をしながらも不思議な友情を築いていたし、猿彦は最初は一番“神様”として畏れられたが今はいい兄貴分となっていたし、禊は年端もいかない少女達に囲まれ、何を話しているのかしょっちゅう頭を抱えていた。
畑や家の仕事が忙しく、彼らが手伝いに駆り出されている時は会えなかったが──そんな時は玉垣から眼下を眺め並ぶ者と何事かを語らい過ごす。そうしている間に黄葉(もみじ)はいつしか錦をなし、稲穂も肥え黄金の色を濃くしては、里山を秋模様に織り上げていた。
その過ごした時間は、あの星海の中、神依が日嗣に望んだことの一端でもあった。

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