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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第10章 身寄り
 社からまろび出た子供達は折り重なって倒れ、その痛みが落ち着くとばつが悪そうに顔を見合わせ、それから日嗣と神依を見ると訳知り顔に笑う。
 「……ッ」
「な……、……あぁぁぁぁ……」
それに二人は頬を赤く染め──というより、神依はいっそ不憫なほどに顔を耳まで真っ赤にして体ごと顔を背けると、なおもそれを隠そうと両手で頬を覆い細く自責の呻きを漏らした。
 先に理性を取り戻した日嗣が子供達を窺えば、後ろに見える社の中には玩具の類いが持ち込まれており──どうやら村の子らが、その空いた社殿を溜まり場に使っていたらしいことが察せられた。
 日嗣はひとまず盛大な溜め息と「あの馬鹿」と姿を消した友を罵る言葉を吐き照れ隠しを済ませると、舞台を降り子供らの方へ向かう。

 それから、八衢が夕焼けの橙に染まる頃──
「……はあ……、何してんだあいつら」
迎えにきた猿彦の目に映ったのは、どちらが子供か分からない──ガキ大将のように数人の男児と棒きれを振り回し大立ち回りを演ずる日嗣と、それを見ながらやはり数人の女児と紐遊びをしつつ、視線の先をからかわれては顔を赤く染めてあたふたとする神依の、大きな稚児二人の姿だった。
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