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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第10章 身寄り
 そしてだからこその、罪悪感だった。
 「……」
けれどそれでも、腕の力を緩めることはできない。甘いのも苦いのもままならないが……、今は、このぬくもりがいとおしかった。この幸せの重みを、きっとあの従者も一度は感じていたのだろうが──もう譲りたくはなかった。
 「それで……あれから妻問いの話はないか」
「はい、おかげさまで。……禊も何にも言わないから、多分大丈夫だと思うんですけど」
「……そうか。ならいい──というより、最悪押し倒されて衣を剥がされたところで、お前にはもう俺の朱印が刻まれているからな。並の神ならばそこで逃げ帰るだろうが──」
「ん……」
そうだった……と神依は引き揚げられた時のことを思い出して身を竦める。
 思えば不思議な関係だ。仕方がなかったとはいえ、一度はああして身を委ねているのに──。
「……なんだか、私達って変ですよね」
「……何だそれは」
「だって……あの時より、今の方が何倍も恥ずかしい気がするから」
「お前な……」
敢えてそれを口にされれば、こちらまでそう意識してしまう。しかもそれを本当に恥じらうように言われては、男としては堪らない。
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