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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第10章 身寄り
「……っ」
その時指先がすっとうなじを掠め、小さな肩が一瞬びくりと震えた。日嗣は気付かないふりをするが、神依の肌はほんのりと秋の色に染まっていく。
右肩に目を遣り、堪らずもう一度、今すぐそこにむしゃぶりつきたいような気持ちになったが、それはぐっと抑えた。
「神依──」
「……っあ」
代わりに、数秒前には決断できなかったことを衝動的に体がなす。
手にした髪を落としその細い腰を抱き寄せれば、神依の体は簡単に、自身の胸と腕と、膝の中にまろんだ。
「ひ──日嗣様……」
それ以上の言葉をなせずに黙ってしまう神依のすぐ上で、ふっと笑いを帯びた息遣いがする。その密着した抱擁に身動きも取れずにいれば、後ろから優しく両手を取られた。
「……」
ぎゅっと握りしめていた指に、自分のものとは異なる男の指が絡み、ほどかれる。
代わりに可愛い彫り物がされたつげ櫛を握らされ、膝の上に小さな木箱と細やかな柄の入った巾着が置かれると、神依はようやく全身の力を抜いて男の体に身を委ねた。
両手に包む櫛を顔に寄せれば、木のいい香りがした。秋らしく、また可愛らしい小菊の彫刻。歯の部分も繊細に、指先でなぞればさららと心地好い振動が皮膚をくすぐる。
その時指先がすっとうなじを掠め、小さな肩が一瞬びくりと震えた。日嗣は気付かないふりをするが、神依の肌はほんのりと秋の色に染まっていく。
右肩に目を遣り、堪らずもう一度、今すぐそこにむしゃぶりつきたいような気持ちになったが、それはぐっと抑えた。
「神依──」
「……っあ」
代わりに、数秒前には決断できなかったことを衝動的に体がなす。
手にした髪を落としその細い腰を抱き寄せれば、神依の体は簡単に、自身の胸と腕と、膝の中にまろんだ。
「ひ──日嗣様……」
それ以上の言葉をなせずに黙ってしまう神依のすぐ上で、ふっと笑いを帯びた息遣いがする。その密着した抱擁に身動きも取れずにいれば、後ろから優しく両手を取られた。
「……」
ぎゅっと握りしめていた指に、自分のものとは異なる男の指が絡み、ほどかれる。
代わりに可愛い彫り物がされたつげ櫛を握らされ、膝の上に小さな木箱と細やかな柄の入った巾着が置かれると、神依はようやく全身の力を抜いて男の体に身を委ねた。
両手に包む櫛を顔に寄せれば、木のいい香りがした。秋らしく、また可愛らしい小菊の彫刻。歯の部分も繊細に、指先でなぞればさららと心地好い振動が皮膚をくすぐる。

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