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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第10章 身寄り
ぱっぱっと落ち葉を払いそこに座り、舞台から足を投げ出しぶらぶら。
前を向いていろというから向いていれば、さあ、と心地好い秋の風が頬と髪を撫でた。秋の、からっとした葉っぱの匂い。
「……、」
その風に混じり何か背後でカタリと小さな音がして、日嗣もまた腰を下ろす気配がする。
するとまた髪がひとふさ、何か風とは違うものにひどく優しく絡め取られた。
(……あ)
それが何か分かったとき、神依は日嗣の態度の意味が分かってきゅう、と甘く身を縮ませる。
「……」
……数秒。
引かれた髪に、すう、とやわらかく何かが通されるのを感じて……もはや神依には、その言葉にならない感情の甘みを口の中で噛みしめることしかできなかった。
それは禊が毎朝毎晩してくれるのと同じように……髪の房を変えては、繰り返し、繰り返し……。
ただ日嗣のそれは遥かにじれったく、だからこそとろ火のように甘やかな愛撫となって神依の芯を炙る。
(櫛だ……)
優しすぎてくすぐったい男の指先と櫛の加減に、体の奥がじんと疼く。落ちない水飴のようにじわじわとした、切ないのに心地好い……嬉しさや楽しさが混ざった、甘酸っぱい感覚が背を撫でる。
前を向いていろというから向いていれば、さあ、と心地好い秋の風が頬と髪を撫でた。秋の、からっとした葉っぱの匂い。
「……、」
その風に混じり何か背後でカタリと小さな音がして、日嗣もまた腰を下ろす気配がする。
するとまた髪がひとふさ、何か風とは違うものにひどく優しく絡め取られた。
(……あ)
それが何か分かったとき、神依は日嗣の態度の意味が分かってきゅう、と甘く身を縮ませる。
「……」
……数秒。
引かれた髪に、すう、とやわらかく何かが通されるのを感じて……もはや神依には、その言葉にならない感情の甘みを口の中で噛みしめることしかできなかった。
それは禊が毎朝毎晩してくれるのと同じように……髪の房を変えては、繰り返し、繰り返し……。
ただ日嗣のそれは遥かにじれったく、だからこそとろ火のように甘やかな愛撫となって神依の芯を炙る。
(櫛だ……)
優しすぎてくすぐったい男の指先と櫛の加減に、体の奥がじんと疼く。落ちない水飴のようにじわじわとした、切ないのに心地好い……嬉しさや楽しさが混ざった、甘酸っぱい感覚が背を撫でる。

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