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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第10章 身寄り
 御霊祭以来、神依は同じ巫女達から──多分、怖がられるようになってしまっていた。
 もう神楽殿に行かなくていい分、自由な時間も増えたし他の巫女と話をする機会も増えた。それは良いことだと思う。
 ただ──問題はその中身だ。友情というよりは保身というか、仲良くしておけば“祟られない”というおかしな噂まで聞いてしまった。
「……何だかその……私が雷を落としたとか、風を起こしたとか言う人がいて。進貢にあの子龍を連れていった日にはもう、泣き出してしまった子までいて」
「あー……そりゃ仕方ないな。半分は当たってるし。事情を知らない奴の方が多いしな」
「……気にするな。人には皆、考える品性がある。禊共々愚かでなければ共に真を語らい、時を置かずして逆にお前を慕ってくる巫女も現れるだろう」
「……」
だがそう言う日嗣の横顔は、神依には少し辛い。
 日嗣を見た彼女達のあの溜め息には、横顔には……きっと神依と同じように、憧れや恋心のようなものが含まれていた。
 自分が彼女達の立場だったら、きっと同じことをしていただろう。直接的ではなくとも、指を指してクスクス笑うことくらいはできたはずだ。
 きっと……そんな浅はかな、恋の間違いを犯していた。
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