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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第10章 身寄り
そうして後ろから猿彦に羽交い締めにされた童は、日嗣自らの手によって強制的に勾玉を握らせられる。
それでようやく大人しくなった童は、猿彦に解放されするりと縁側に戻ると……呆然としたままその手を広げた。
「……、」
そこにあったのは緑の翡翠と藍の出雲石……この神が日嗣と名乗るに相応しい証の石を連ねた、紛れもない至宝だった。
声にならない声が漏れて、童は石に吸い込まれるようにもうそこから目が離せなくなる。
形や素材こそ目にしたことはあれ、この緒に連なるものはただの玉ではない。体の奥がじんと熱くなって、なのに肌の裏には冷気が走った。その石の何かと共鳴するように心臓が鳴り、魂を宿す石だと分かって、体中の血がふつふつと沸き立つような気がした。
そしてその芯を汚すことのないよう、極上の光を宿すべく精巧に、美しく研磨されている石の器──。
「……」
その小さな手からしだれ落ちる部分を、隣に座る日嗣が弾いてやる。すると白砂の砂浜でも神依の心を揺さぶった、涼やかな音が響いた。
「……!」
「……、……童、大丈夫?」
呟く神依の隣で童は息を呑み、それでも呆けたような顔でじっと勾玉を見つめ続けている。
それでようやく大人しくなった童は、猿彦に解放されするりと縁側に戻ると……呆然としたままその手を広げた。
「……、」
そこにあったのは緑の翡翠と藍の出雲石……この神が日嗣と名乗るに相応しい証の石を連ねた、紛れもない至宝だった。
声にならない声が漏れて、童は石に吸い込まれるようにもうそこから目が離せなくなる。
形や素材こそ目にしたことはあれ、この緒に連なるものはただの玉ではない。体の奥がじんと熱くなって、なのに肌の裏には冷気が走った。その石の何かと共鳴するように心臓が鳴り、魂を宿す石だと分かって、体中の血がふつふつと沸き立つような気がした。
そしてその芯を汚すことのないよう、極上の光を宿すべく精巧に、美しく研磨されている石の器──。
「……」
その小さな手からしだれ落ちる部分を、隣に座る日嗣が弾いてやる。すると白砂の砂浜でも神依の心を揺さぶった、涼やかな音が響いた。
「……!」
「……、……童、大丈夫?」
呟く神依の隣で童は息を呑み、それでも呆けたような顔でじっと勾玉を見つめ続けている。

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