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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第10章 身寄り
一体何を──と禊は口を開きかけ、しかしもう一柱の神が差し出す手の上の物を見て言葉ごと息を呑み込む。
それは紛れもなく、三種の神器と呼ばれる御物(ぎょぶつ)の一つ。かつては天照大御神が、そして今はその孫である日嗣が身に付ける、唯一無二の宝物だった。
それを何故、神が軽く弟分に差し出しているのか──絶句どころか、何が起きているのか分からず頭が真っ白になる。
「み……神依様。一体何を……」
「だから、私も何か童にしてあげたくて……日嗣様にお願いしたの。日嗣様の首飾りを、童に見せてあげてくれないかって。前に童に聞いたの、日嗣様のものはすごく特別だって。だから見せてもらえれば、きっとこの子の将来のためになると思うんだ」
「神依様……!! あなたと言うお方は──」
禊は慌てて非礼を謝そうと立ち上がる。いくら爛漫で物を知らないとはいえ無礼にも程がある。豊葦原ではその形無くとも在るように厳重に保管され、奉られるものだというのに──それを只人に触れさせるなどあってはならない。
しかし、それを留めたのは他でもない日嗣自身だった。
「いいんだ、俺が許す」
「しかし──」
「あーもう、焦れってえなー。ほら、孫」
「ああ」
「うわっ!?」
それは紛れもなく、三種の神器と呼ばれる御物(ぎょぶつ)の一つ。かつては天照大御神が、そして今はその孫である日嗣が身に付ける、唯一無二の宝物だった。
それを何故、神が軽く弟分に差し出しているのか──絶句どころか、何が起きているのか分からず頭が真っ白になる。
「み……神依様。一体何を……」
「だから、私も何か童にしてあげたくて……日嗣様にお願いしたの。日嗣様の首飾りを、童に見せてあげてくれないかって。前に童に聞いたの、日嗣様のものはすごく特別だって。だから見せてもらえれば、きっとこの子の将来のためになると思うんだ」
「神依様……!! あなたと言うお方は──」
禊は慌てて非礼を謝そうと立ち上がる。いくら爛漫で物を知らないとはいえ無礼にも程がある。豊葦原ではその形無くとも在るように厳重に保管され、奉られるものだというのに──それを只人に触れさせるなどあってはならない。
しかし、それを留めたのは他でもない日嗣自身だった。
「いいんだ、俺が許す」
「しかし──」
「あーもう、焦れってえなー。ほら、孫」
「ああ」
「うわっ!?」

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