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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第10章 身寄り
 禊は自身を戒め、言い聞かせるように何度もそれを思う。
 そもそも主の禊に対する態度が余りに親し過ぎたというか……近過ぎたのだ。それは嬉しい面も大きかったが、その分だけ禊自身にも余分な情が生まれてしまった。心が育まれてしまった。もっと明確に上下に分けられた、主従らしい主従で良かったのに。なのに自分は、並び過ぎてしまった。
 それに、巫女かて神と交わってこその巫女。禊ではなく小さな神々を頼り、禊ではなく神々と何事かを語らう──今の状態の方が、巫女としては本来あるべき姿だった。
 ──巫女は神と結ばれるもの。
そう告げたのは他でもない自分自身で、だからそれでいいと、禊は心に重石を落とす。
 「──っ一ノ兄、一ノ兄!!」
と、そこへ逼迫した弟分の、自身を呼ぶ声がして禊は我に返った。
 顔を上げれば童はじたばたと何か必死にこちらへ戻ろうとしていて、それを神依と猿彦が引っ張って留めようとしていた。
「童、なんで逃げるのー!」
「神依様はなんで引っ張るんだよ! てか神依様は分かってない!! そんなことしたら俺、明日から絶対何かに祟られる!!」
「持ち主がいいっつってんだからいいだろ。ほらチビ、ちゃんと座れ」
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