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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第9章 穂向け
お菓子は素直に嬉しい。神依は促されるまま席に戻り、楊枝を取る。
しかしひとひら切り分けて口に運べば、ちらりと洞主と大兄が意味ありげに目配せした。そしてそれに気付いた禊が怪訝そうに眉をひそめる。
「──実は、私もいつ申そうか悩んでおったのじゃが」
「え?」
「今日来てくれたのは、かえって良かったかもしれぬ。実はそなた達には幾つか、大事な話があってな」
「……?」
神依はこくりと食んだ菓子を飲み込むと、不思議そうに洞主と大兄を見比べた。またちらりと禊を見れば禊もまた窺うように二人を見ていて、どうやら何も知らされていなかったことが察せられた。
「あの……お話って?」
それで改めて洞主に問えば、洞主はやや神妙そうな面持ちでそれに答える。
「一つは、そなたの名のことじゃ」
「名前?」
「うむ。実は御霊祭の前、御令孫より一つ言い付けられたことがあってな……。しかし前例無きこと故、やはりお断り申し上げようと思うのだが……その言い付けというのが、そなたの名を変えよというものでな」
「えっ……!?」
「一応、本人の意見も聞いておいた方がよかろうと思うてな。……いかがであろ」
「えっ、ええと」
しかしひとひら切り分けて口に運べば、ちらりと洞主と大兄が意味ありげに目配せした。そしてそれに気付いた禊が怪訝そうに眉をひそめる。
「──実は、私もいつ申そうか悩んでおったのじゃが」
「え?」
「今日来てくれたのは、かえって良かったかもしれぬ。実はそなた達には幾つか、大事な話があってな」
「……?」
神依はこくりと食んだ菓子を飲み込むと、不思議そうに洞主と大兄を見比べた。またちらりと禊を見れば禊もまた窺うように二人を見ていて、どうやら何も知らされていなかったことが察せられた。
「あの……お話って?」
それで改めて洞主に問えば、洞主はやや神妙そうな面持ちでそれに答える。
「一つは、そなたの名のことじゃ」
「名前?」
「うむ。実は御霊祭の前、御令孫より一つ言い付けられたことがあってな……。しかし前例無きこと故、やはりお断り申し上げようと思うのだが……その言い付けというのが、そなたの名を変えよというものでな」
「えっ……!?」
「一応、本人の意見も聞いておいた方がよかろうと思うてな。……いかがであろ」
「えっ、ええと」

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