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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第9章 穂向け
「洞主様……。でも……、なら、私も奥社のみんなに」
「それはならん。会わぬ方が、良いときもある──しかしそれは、時が解決してくれること。特に舞巫女らは、今は花が枯れたようにうなだれておるからの」
「……ごめんなさい」
洞主は神依の心を全て分かっているように、静かに頷く。それ以上神依が何も言えずうつむけば、傍らに在った禊が代わりに口を開いた。
「洞主様……、高天原の神々は」
「……良くはあるまい。特に、天照様は酷くお怒りになってあられたようじゃ。それでも、神の神たる力を人々に知らしめたとお喜びになる神々も多い。……相殺であろうな」
「そうですか……では、神依様にもお咎めは」
「無い──が、しかし。しばらくは少し控えておった方が良かろう。神依のことは、その奇異な漂着から子龍のことまで全て御承知であるという。悪しき言葉で吹き込む者も多ければ、その潔白が明かされるまでは普通の巫女に紛れるがよかろうて。いずれ──神も人も、飽き、忘れる」
「……はい」
洞主はつと立ち上がると、再び卓の向こうに着きほのかに笑む。
「神依も。ひとまず、お茶と菓子をおあがり」
「……はい。いただきます」
「それはならん。会わぬ方が、良いときもある──しかしそれは、時が解決してくれること。特に舞巫女らは、今は花が枯れたようにうなだれておるからの」
「……ごめんなさい」
洞主は神依の心を全て分かっているように、静かに頷く。それ以上神依が何も言えずうつむけば、傍らに在った禊が代わりに口を開いた。
「洞主様……、高天原の神々は」
「……良くはあるまい。特に、天照様は酷くお怒りになってあられたようじゃ。それでも、神の神たる力を人々に知らしめたとお喜びになる神々も多い。……相殺であろうな」
「そうですか……では、神依様にもお咎めは」
「無い──が、しかし。しばらくは少し控えておった方が良かろう。神依のことは、その奇異な漂着から子龍のことまで全て御承知であるという。悪しき言葉で吹き込む者も多ければ、その潔白が明かされるまでは普通の巫女に紛れるがよかろうて。いずれ──神も人も、飽き、忘れる」
「……はい」
洞主はつと立ち上がると、再び卓の向こうに着きほのかに笑む。
「神依も。ひとまず、お茶と菓子をおあがり」
「……はい。いただきます」

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