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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第9章 穂向け
 だがそれが済むと、神依は禊と童と目配せし……楊枝を立てることなく座布団から下り、三人で頭を下げた。
 「神依──」
それに洞主と大兄もまた視線を交わし、静かに三人に対する。
「洞主様、大兄さん──本当に、今回は申し訳ありませんでした。私のせいで……奥社のみんなに迷惑かけて、その心を乱して。……洞主様や、大兄さんまで裏切らせてしまうことになってしまって、本当に……本当に、ごめんなさい。
禊と、童のことも聞きました。禊は分をわきまえない行動だったと言うし、それを促した童のことも怒ったけど、……どうか二人のことは怒らないであげて下さい。私は二人のことを誇りに思うし、二人は私の禊と童です。罰は、私が──」
「もういいよ。皆、顔をお上げ」
「……、……洞主様」
 ふ、と隣で衣擦れの音がして、目を開けば視界に鮮やかな衣の裾が入る。壊れ物を扱うように背を撫でられ、神依はおずおずと頭を上げた。
「……私の力が及ばぬばかりに、そなたには心労をかけた。ほんに、すまなかった。御令孫におかれても、此度のことはもう誰もがその罰を受け、その罪も禊がれたと……あとは各々の品位にて、ようよう考えよとの御言葉を頂戴しておる」
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