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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第9章 穂向け
「……そんなことは、ない」
「本当に? ……本当にそうだったら……私だって、きっと、悩まなかった」
「神依……」
 見れば、神依もまた痛みに耐えるように……肩から羽織る自身の衣をぎゅっと握りしめていた。
「でも……、思ったんです。日嗣様には迷惑かもしれないけど……今みたいな時間が増えたらいいなって。一緒に歩いたり、一緒に話したり、一緒に……泣いたり。私ももっと、あちこちに行ってみたいなって思ったし、神様とか巫女とか、そういうもの全部取り払って、たくさんの人とも話してみたい。その中には、今回みたいに悲しいこともあるかもしれないけど……、でもそれだけじゃなくて、きっと同じくらい仲良くなったり、助けてくれる人だっていると思うんです。それで、辛いことも悲しいことも、楽しいことも嬉しいこともいっぱいいっぱい経験して。そしたらきっと……私も、少しだけ大きくなれるから」
「……」
「今度はひとりぼっちじゃなくて……二人で、いっぱいそんな時間を過ごせたらいいなって。お互いの心がひとりぼっちで置いてきぼりにならないように……、お互いの心が怖いのや不安なのを気にならなくなるくらい、一緒に、相談しながら大きくできたらいいなって……思ったんです」
「……お前」
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