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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第9章 穂向け
『よろしければ、あなた方もお乗りになりますか』
「……えっ!?」
『乾坤──天と地の境界は我らには無きも同じ』
そうして龍は、言うなり胴をしならせ二人を拐うと天に昇り、その勢いのまま雲海に飛び込んだ。
***
その衝撃に神依が悲鳴を上げたのも束の間──神依を風圧から庇うように体を被せていた日嗣は、角の方から転がってきた子龍を受け止め、髪や肌に感じる風が落ち着いたのを感じると、踞るように龍の背にすがり付いている少女を抱き起こした。
「見ろ、神依──」
神依はまだ状況が理解出来ていないのか一瞬驚いたように日嗣を見上げたが、次の瞬間には視界を滑る星の光に歓声を上げる。
「日嗣様──すごい、すごいっ!! 私達、空を飛んでる!! すごい!!」
「ああ──」
余りに無邪気にそれを訴える神依に日嗣は思わず笑みを溢す。
御霊祭のとき、神憑った神依は既にそれをなしていた。そして神たる日嗣達にもまた浮くほどは造作も無いことなのだが、しかし──まさか龍の背に乗ることになるとは思いもしなかった。
龍は言葉通り自らが箒星の如く、風の星空も水の星空もその全てを游いでみせる。
星屑をかき分け、星野を流れ──。
「……えっ!?」
『乾坤──天と地の境界は我らには無きも同じ』
そうして龍は、言うなり胴をしならせ二人を拐うと天に昇り、その勢いのまま雲海に飛び込んだ。
***
その衝撃に神依が悲鳴を上げたのも束の間──神依を風圧から庇うように体を被せていた日嗣は、角の方から転がってきた子龍を受け止め、髪や肌に感じる風が落ち着いたのを感じると、踞るように龍の背にすがり付いている少女を抱き起こした。
「見ろ、神依──」
神依はまだ状況が理解出来ていないのか一瞬驚いたように日嗣を見上げたが、次の瞬間には視界を滑る星の光に歓声を上げる。
「日嗣様──すごい、すごいっ!! 私達、空を飛んでる!! すごい!!」
「ああ──」
余りに無邪気にそれを訴える神依に日嗣は思わず笑みを溢す。
御霊祭のとき、神憑った神依は既にそれをなしていた。そして神たる日嗣達にもまた浮くほどは造作も無いことなのだが、しかし──まさか龍の背に乗ることになるとは思いもしなかった。
龍は言葉通り自らが箒星の如く、風の星空も水の星空もその全てを游いでみせる。
星屑をかき分け、星野を流れ──。

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