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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第9章 穂向け
人目を庇って抱き寄せたときのように腕に力をこめれば、主はまだ涙を溢しながらも体の力を抜いてくれた。
「……貴女に非などございません。貴女は誉れ高き神々に交じり、巫女として偉大なる龍神の魂を興しました。良き主を持てたと……私は禊として誇らしく思います」
「禊……っ」
いつもの、ひねくれた物言いが無いぶん神依は余計に胸が締め付けられる。
「私……童だけじゃない、あなたが私の禊で本当に良かった。あなた達が私の禊と童であること……それが私の、何よりの誇りだと思う。本当に……ありがとう」
「それは……物好きな巫女で、私も幸いです」
「一ノ兄……」
巫女さんからそんなこと言われたの初めてだもんな、という童の茶々に、神依はようやく泣き笑いのような表情を浮かべ体を起こす。
「──神依、目覚めたらしいな」
「鼠軼様、鼠英様──」
そこへ、子龍の背に乗り二柱の屋敷神が現れた。えっちらおっちらやって来る子龍が可愛くて、その光景に神依も今度こそ声を上げて笑った。
「食い過ぎじゃ、腹が地面に付いておる」
「ひゃ、もう──コラ」
鼠軼達が降りると子龍はキィ、と嬉しそうに鳴いて神依の体を駆け回り、いつもの定位置に収まった。
「……貴女に非などございません。貴女は誉れ高き神々に交じり、巫女として偉大なる龍神の魂を興しました。良き主を持てたと……私は禊として誇らしく思います」
「禊……っ」
いつもの、ひねくれた物言いが無いぶん神依は余計に胸が締め付けられる。
「私……童だけじゃない、あなたが私の禊で本当に良かった。あなた達が私の禊と童であること……それが私の、何よりの誇りだと思う。本当に……ありがとう」
「それは……物好きな巫女で、私も幸いです」
「一ノ兄……」
巫女さんからそんなこと言われたの初めてだもんな、という童の茶々に、神依はようやく泣き笑いのような表情を浮かべ体を起こす。
「──神依、目覚めたらしいな」
「鼠軼様、鼠英様──」
そこへ、子龍の背に乗り二柱の屋敷神が現れた。えっちらおっちらやって来る子龍が可愛くて、その光景に神依も今度こそ声を上げて笑った。
「食い過ぎじゃ、腹が地面に付いておる」
「ひゃ、もう──コラ」
鼠軼達が降りると子龍はキィ、と嬉しそうに鳴いて神依の体を駆け回り、いつもの定位置に収まった。

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