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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第22章 天孫降臨
日嗣と目が合うと緋の瞳のままはにかむように笑み、五色布を正すともう一度ゆっくりと頭を下げた。
常夜の理を曲げて射し込む光、したしる雨粒。禍津霊達を焼いていた炎もその丈を地表にまで落とし、そこに在った何もかもが、それに従ったかのように地に垂れる。
「……」
そして最後に、鈴の音(ね)が空から大地に降り注いだ。清麗たる響きの。
(神依……)
それがこの世の誰に向けてのものか、世界に降り注ぐ何もかもに一番遅れて、日嗣は気付く。
だからか、その舞は、神楽殿で向かい合った時より更にぎこちないもののように見えた。緊張なのか照れなのか、それは分からなかったが、だからこそ日嗣もそわそわとむず痒い心地で一杯になった。
舞にこめられるのはそんな、ほのほのと柔らかみを帯びた恋情と絶対の信頼。それをもって神依は、神たる日嗣の魂を賑やかす。あなたならできるはずだと、日嗣自身にも信じさせてくれる。
(……)
ずっと一人では何もできなかった。天照や素戔鳴のような威は自分には無い。月読や伍名のような目も持たない。猿彦のような心も無い。武器を振るう力ではない、禊や童のような一つを極める力も持たなかった。黄泉にて対峙した神々さえ、勝ったとはいえない。
常夜の理を曲げて射し込む光、したしる雨粒。禍津霊達を焼いていた炎もその丈を地表にまで落とし、そこに在った何もかもが、それに従ったかのように地に垂れる。
「……」
そして最後に、鈴の音(ね)が空から大地に降り注いだ。清麗たる響きの。
(神依……)
それがこの世の誰に向けてのものか、世界に降り注ぐ何もかもに一番遅れて、日嗣は気付く。
だからか、その舞は、神楽殿で向かい合った時より更にぎこちないもののように見えた。緊張なのか照れなのか、それは分からなかったが、だからこそ日嗣もそわそわとむず痒い心地で一杯になった。
舞にこめられるのはそんな、ほのほのと柔らかみを帯びた恋情と絶対の信頼。それをもって神依は、神たる日嗣の魂を賑やかす。あなたならできるはずだと、日嗣自身にも信じさせてくれる。
(……)
ずっと一人では何もできなかった。天照や素戔鳴のような威は自分には無い。月読や伍名のような目も持たない。猿彦のような心も無い。武器を振るう力ではない、禊や童のような一つを極める力も持たなかった。黄泉にて対峙した神々さえ、勝ったとはいえない。

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