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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第22章 天孫降臨
度が過ぎる欲望、執着、またいびつに歪んだ軽薄な自己愛に溺れた者達の末路。
分かっている。自ら誇れるものも無く満たされないまま、ただ淡々と、無意に過ぎていく日々を遣り過ごす辛さは誰よりも分かっているつもりだった。
けれど自分には友が在ってくれた。見守ってくれるものが在ってくれた。祖母達も煩わしいものではあったが、今ならそのありがたみが理解できる。それを持たず、側にあっても目が向けられなかったらとっくに膿んでいただろう。
だからこの姿は、道を違えた自分そのもの。それを思えば、哀れにも感じた。
「もうよせ──お前達が求めるものはここには無い。お前達自身が変わらぬ限り、誰にも与えられない。そして我が血脈の始父よ、貴方が欲するものはこんなにも貴方の近くにあるというのに、何ゆえそうもその眼(まなこ)を曇らせるのか──。神依は貴方の妻ではない。未だ私のものでもない。けれども私は貴方とその妻神が為したように、その行く末の傍らにありたいと願っているのです……!」
『お前に末など無い。ここでお前も死ね。水に引きずり込まれて自殺、一人孤独に自殺、自殺、自殺』
「──ッ」
ぶよぶよと波打つ泥が押し寄せる。嵐の海のように黒い水がその体積を膨らませて山をなす。
分かっている。自ら誇れるものも無く満たされないまま、ただ淡々と、無意に過ぎていく日々を遣り過ごす辛さは誰よりも分かっているつもりだった。
けれど自分には友が在ってくれた。見守ってくれるものが在ってくれた。祖母達も煩わしいものではあったが、今ならそのありがたみが理解できる。それを持たず、側にあっても目が向けられなかったらとっくに膿んでいただろう。
だからこの姿は、道を違えた自分そのもの。それを思えば、哀れにも感じた。
「もうよせ──お前達が求めるものはここには無い。お前達自身が変わらぬ限り、誰にも与えられない。そして我が血脈の始父よ、貴方が欲するものはこんなにも貴方の近くにあるというのに、何ゆえそうもその眼(まなこ)を曇らせるのか──。神依は貴方の妻ではない。未だ私のものでもない。けれども私は貴方とその妻神が為したように、その行く末の傍らにありたいと願っているのです……!」
『お前に末など無い。ここでお前も死ね。水に引きずり込まれて自殺、一人孤独に自殺、自殺、自殺』
「──ッ」
ぶよぶよと波打つ泥が押し寄せる。嵐の海のように黒い水がその体積を膨らませて山をなす。

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