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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第22章 天孫降臨
いろんなことをいろんな風に教えてもらったけれど、何をしても下手くそなままだった。ほんのちょっとまともにできるようになっただけで浮かれて、自分で誇れることなど何もない。
一人では、何もできない。母親にすがることしかできない、──ただの──。
『──目を開けなさい、淡島の巫女──!』
そうして“神依”が“神依”であることを放棄しようとした瞬間、それを否定するように凜とした女性の声が辺りに響いた。
と同時に瞼の裏がかあっと赤く染まって、空気が爆発的に熱を帯びる。
「……っ!?」
言葉など理解していない。水が弾ける音がして反射的に目を開けば、白い煙が勢いよく爆ぜ、明々とした炎が神依を囲うように円を描いていた。
泥の蟲達は自分の近くにあったものから固く干上がり、ぼこぼこと表面が泡立つ不思議な黒石に姿を変えて大地に焼き付いている。その間を細く細く、燠(おき)を孕む緋色の泥が流れていた。
そこに平然と立ち、自分を見下ろす影がある。陽炎のような、女の形をした空気の揺らぎ。
「い……いや!!」
そしてそれを見た神依は、一瞬で立ち上がった。手の中の熱を帯びた黄金の塊を取りこぼし、けれどそれに構うこともできず、足をもつれさせながら慌てて数歩を退く。
一人では、何もできない。母親にすがることしかできない、──ただの──。
『──目を開けなさい、淡島の巫女──!』
そうして“神依”が“神依”であることを放棄しようとした瞬間、それを否定するように凜とした女性の声が辺りに響いた。
と同時に瞼の裏がかあっと赤く染まって、空気が爆発的に熱を帯びる。
「……っ!?」
言葉など理解していない。水が弾ける音がして反射的に目を開けば、白い煙が勢いよく爆ぜ、明々とした炎が神依を囲うように円を描いていた。
泥の蟲達は自分の近くにあったものから固く干上がり、ぼこぼこと表面が泡立つ不思議な黒石に姿を変えて大地に焼き付いている。その間を細く細く、燠(おき)を孕む緋色の泥が流れていた。
そこに平然と立ち、自分を見下ろす影がある。陽炎のような、女の形をした空気の揺らぎ。
「い……いや!!」
そしてそれを見た神依は、一瞬で立ち上がった。手の中の熱を帯びた黄金の塊を取りこぼし、けれどそれに構うこともできず、足をもつれさせながら慌てて数歩を退く。

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