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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第22章 天孫降臨
(──至れない……俺では終わりには、至れない)
そしてそれを思ってしまった日嗣の体には、忘れていた疲労が怒涛のように押し寄せてきた。
体中の肉が意識にも重くのし掛かり、自らを重石にしてその場に縫い留める。筋や肌の痛みが鋭敏になり、心身に倦怠感が渦巻く。
考えてみたら、黄泉に降りてからはろくな生活ができていなかった。朝も夜もなく、亡者や狂った世界の理に追われ、眠っている時さえ気が休まらない。食べ物も飲み物も、空気をその形に練っただけのようなもの。
そして最後に食わされたのが、同じように空気で練られた勝利への勢いや高揚、その先にある美酒や女のぬくもりだった。
それがあると信じていたからこそ、今まで忘れられていた苦労だったのに。希望を持って動き続けていられたのに。それらは全て、黄泉が見せる幻の幸せだった。
「……ッ」
わずかの後、日嗣は奥歯を噛み、顔を歪めるとそれでも再び剣を構えた。
心なしか腕が震えているように感じ、それが疲労のせいなのかか怒りのせいなのかは分からなかったが、でなければ羞恥のせいであるかもしれなかった。
──認めたくない。
そしてそれを思ってしまった日嗣の体には、忘れていた疲労が怒涛のように押し寄せてきた。
体中の肉が意識にも重くのし掛かり、自らを重石にしてその場に縫い留める。筋や肌の痛みが鋭敏になり、心身に倦怠感が渦巻く。
考えてみたら、黄泉に降りてからはろくな生活ができていなかった。朝も夜もなく、亡者や狂った世界の理に追われ、眠っている時さえ気が休まらない。食べ物も飲み物も、空気をその形に練っただけのようなもの。
そして最後に食わされたのが、同じように空気で練られた勝利への勢いや高揚、その先にある美酒や女のぬくもりだった。
それがあると信じていたからこそ、今まで忘れられていた苦労だったのに。希望を持って動き続けていられたのに。それらは全て、黄泉が見せる幻の幸せだった。
「……ッ」
わずかの後、日嗣は奥歯を噛み、顔を歪めるとそれでも再び剣を構えた。
心なしか腕が震えているように感じ、それが疲労のせいなのかか怒りのせいなのかは分からなかったが、でなければ羞恥のせいであるかもしれなかった。
──認めたくない。

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